今こそ古事記を読もう【9】

「序」の第三段は、まず元明天皇(707~715年)を大賛美しています。

その上で、元明天皇が和銅四年(711年)九月十八日に、正しい歴史の編纂(今で言う)を命じたと述べています。(しかし、天武天皇と元明天皇の間にいた持統(じとう)・文武(もんむ)の二天皇の時に、歴史編纂作業が行われていたかどうか伝える記述はありません)

更に、稗田阿礼(ひえだのあれ)の口述を文字で書き記すための校正に難儀し、真意を伝えるために注を用いたことを述べています。要は大変な作業であったが、正しい歴史を記すべく腐心したと書いている訳です。

そして最後に、和銅五年(712年)正月二十八日の日付と編纂責任者太安万侶(おおのやすまろ)の名前が記されています。

序の全てを要約しますと、天武天皇が稗田阿礼という記憶力抜群の若者に全国の伝承の暗記を命じたのですが、阿礼の頭の中の情報を書物として編纂するように命じたのは、三代後の元明天皇で、苦労の末わずか四ヶ月強で完成したということです。

さっと読めばそれなりに納得できるのですが、何か引っかかるものを感じます。

次回からは、天武→持統→文武→元明の関係を見ながら、古事記の完成までを時系列で追ってみます。

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聴いた人から、「普段どおりといえばそうだけど、結構な勢いでまくし立ててたね」と言われてしまいました・・・。

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