今こそ古事記を読もう【8】

「序」の第二段には、もう一ヶ所注目すべき記述があります。

それは冒頭部分の「飛鳥(あすか)の清原(きよみはら)の大宮に大八州(おほやしまくに)御(しら)しめしし天皇(すめらみこと)の御世に・・」です。

現代文にすれば「飛鳥の浄御原宮(きよみはらのみや)で大八島国を御統治になった天武天皇の御代に・・」ですが、注目点は大八島です。

大八島というのは、イザナギ・イザナミの国生みでできたとされる八つの島ですが、できた順に淡路島・四国・隠岐島・九州・壱岐島・対馬・佐渡島の七島と、大倭豊秋津島(おおやまととよあきづしま)を加えた八島で、日本という意味です。

七島までは分かり易いのですが、大倭豊秋津島がどこを意味するのかです。訳者によって「大和を中心とする畿内地方から中国地方=近畿以西」説と、「本州全部」説があります。

ところが少しあとに「・・人事共給(そな)はりて、東国に虎歩(こほ)したまひき」と書かれています。
現代文にしますと「・・天皇に従う兵も集まったので、東国に進撃なさいました」です。

東国とはどこか? 学問的には細かい解釈がありますが、大雑把に言えば近畿から東、蝦夷(えみし)の支配していた地域です。

この記述から考えれば、大倭豊秋津島は近畿と中国地方となり、古事記に書かれている時代の日本は西日本だけということになります。

■ラジオ出演のお知らせ■

古事記おじさんのブログ-TBS

『古事記外伝―イズモ・クロニクル―』がジャーナリストの嶌信彦氏の目に止まり、TBSラジオの『嶌信彦のエネルギッシュートーク』なる番組への出演を要請されました。

地方に住む無名の私への出演依頼に驚きましたが、赤坂まで出かけました。当然のこと嶌氏とは初対面です。

私にお声がけ頂いた理由をお尋ねしました所、氏の答えは「理屈抜きで面白かった。このような作品に久しぶりに出会ったので、是非とも著者と直接話したいと思ったのです」と法外な表現でした。

氏の気さくな口調に誘発され、私もいつも通りに話したのですが、何かが氏やディレクターのツボにはまったようでして、1時間半強の収録でしたが「30分番組にするのはもったいない」と、二回に分けてできる限り多くを放送することになったそうです。

毎日曜日23時からの番組ですが、6月3日と10日の二週連続で放送されるとの連絡が来ました。どの様に編集されているか分かりませんが、お時間があれば是非お聞き下さい。

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