オオクニヌシ「因幡の白兎」【4】

ヤガミ姫の父親の名は「アゾウ」と伝えられています。

現在の鳥取市用瀬(もちがせ)町に、「安蔵(あぞう)」という地があります。その地名は、ヤガミ姫の父親の名から付けられたと町誌に記されています。

古事記に紹介されている時代、「アゾウ」は稲羽地方の最高有力者だったのではないでしょうか。

その娘であるヤガミ姫との結婚は、後継者を意味していたと考えられます。稲羽地方の最高有力者を継げるとの期待が、出雲部族の若者達を惹きつけたのでしょう。

彼らは権力欲の強い若者達ですから、それなりの自信を持っていたはずです。つまりエネルギーに満ちた腕自慢・力自慢の若者達だったと思われます。

当時は一夫一婦制などなく、男女とも自らのより良い子孫を残そうという本能の動物です。しかしどの相手と関係すれば、より良い子孫が残せるかは分かりません。

頼れるのは直感と回数だけです。男も女も、直感で「いいかも!」と感じれば、行動に移したのではないでしょうか。

直感でも「好き嫌い」はあったはずですから、受け身であり年に一度しか子供を産めない女性側は、嫌な相手は拒んだはずです。しかし男性側は年中可能ですから、環境が許せば(=身に危険が及ばない状態なら)腕ずくで思いを遂げたはずです。

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