―「神話部分」を読む ― 天照大神と須佐之男命 ② 天の安の河の誓約 – 1 –
故爾各中置天安河而宇氣布時。
(かれここに おのもおのもアメノヤスノカハを中に置きてうけふ時に)
ということで両者が天の安の川を中に挟んで誓約をすることになった
(かれここに おのもおのもアメノヤスノカハを中に置きてうけふ時に)
ということで両者が天の安の川を中に挟んで誓約をすることになった
天照大御神。先乞度建速須佐之男命所佩十拳剣打折三段而。
(まず アマテラス大御神 はやスサノヲの命のみはかせる トツカの剣を
こひわたして みきだにうちおりて)
まずアマテラスがスサノヲが帯びている立派な剣を受け取り、三つに折って
(まず アマテラス大御神 はやスサノヲの命のみはかせる トツカの剣を
こひわたして みきだにうちおりて)
まずアマテラスがスサノヲが帯びている立派な剣を受け取り、三つに折って
奴那登母母由良爾。(ぬなと ももゆらに)
この表現は、イザナギがアマテラスに珠を与えたときに珠飾りの揺れ動く音を表現したもので、剣に使うのは何故か?
この表現は、イザナギがアマテラスに珠を与えたときに珠飾りの揺れ動く音を表現したもので、剣に使うのは何故か?
次に珠が出てくるので間違えてここでも使用したのかもしれない。剣に巻いた珠とも解釈できるが、分脈では珠を濯ぐ時の音なのでやはり間違いであろう。
振滌天之眞名井而。(あめのまないに、ふりすすぎて)
水で濯(すす)いで
水で濯(すす)いで
天之眞名井とは固有名詞ではなく、一般的に言う井戸=水汲み場でもない。天の安の河の水である。
佐賀美爾迦美而於吹棄氣吹之狭霧所成神御名。
(さがみにかみて 吹きうつるいぶきのさぎりになりませる神のみなは)
ガリガリとかみ砕いて吐き出した息吹きから現れた神の名は
(さがみにかみて 吹きうつるいぶきのさぎりになりませる神のみなは)
ガリガリとかみ砕いて吐き出した息吹きから現れた神の名は
多紀理毘賣命。亦御名謂奥津嶋比賣。
(タキリ姫のまたのみ名はオキツシマ姫の命とまをす)
(タキリ姫のまたのみ名はオキツシマ姫の命とまをす)
次市寸嶋比賣命。亦御名謂狭依毘賣。
(つぎにイチキシマ姫の命。またのみ名はサヨリ姫の命とまをす)
次多岐都比賣命。(つぎにたぎつひめの命)
「多紀理」も「多岐都」も河の早瀬の状態を意味するから、安の河による名である。これから考えると二番目の姫の名は「狭依」で、別名「市寸嶋」となるべきである。
・・・つづく