古事記おじさんの『21世紀の視点で古事記を読む』【52】

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―「神話部分」を読む ― 三貴子の分治 ①

「禊」の過程で十四柱の神が現れましたが、
最後に現れた天照大御神、月讀命、建速須佐之男命はイザナギにとっても特別でした。

このとき伊邪那伎の命、いたく歓喜(よろこ)びて詔りたまひしく。
「吾(あれ)は御子(みこ)生み生みて、
生みの終(は)てに三貴子(みばしらのうづのみこ)得たり」とのりたまひて。
やがてその御頸玉(みくびたま)の玉の緒
もゆらに取りゆらかして、
天照大御神に賜ひて詔りたまはく。
「汝命(ながみこと)は、高天原(たかまのはら)をしらせ」と
事依(ことよ)さしてたまひき。
故(かれ)その御頸玉(みくびたま)の名を御倉板擧之(みくらたなの)神とまをす。

このときイザナギの命はとても喜んで(次のよう)に仰った。
「私は次々に子供を生んだが、
最後に三柱の高貴な子を得た」と言うと
首にかけていた玉飾りのひもを持ち、
じゃらじゃらと揺り動かしながら
アマテラスに授けて
「お前は高天原を治めよ」と
お命じになった。
それでこの首の玉飾りの名をミクラタナノ神という。

三貴子は、美婆斯羅能宇豆毘古(みばしらのうずびこ)と読む。
宇豆の意味は、「高く厳(いつくし)きこと」である。

御頸玉(みくびたま)
昔は男女とも玉に紐を通して頭・首・手足・衣類など全身に飾り付けていた。
ホヲリノ命やスサノヲノ命に関する記述でも、御頸之玉・五百筒御統之玉(いほつのみすまるのたま)などがあり、他にも色々ある。

母由良(もゆら)
緒で貫いた複数の玉が動いて、互いに触れながら鳴る状態を云う

取りゆらかし
手に持って、振り動かして揺らす状態

さて天照大御神は、ここで永久に高天原の管理者となった。
天地の全てをくまなく照らして全世界が恩恵を受けるのであるから、
最も尊ばれるべきはこの神である。

この神以前に高天原には既に五柱の神が現れていた。
だがその時点では高天原を管理するとは表現していないので、
君主(きみ)とは言えない。
君主は(イザナギに命じられたと明記されている)この天照大御神が初めである。

ところが世の中には、天之御中主神或いは国之常立神などをも君主のごとく説く者がいるが、それは日本古来の教えから外れている。
さりとてそれらの神を臣下の神とするのも間違いである。
「君」がいないのだから「臣」ということもない。

人間界の発想で天地の初めの時代に君臣の別を説明しようとするのは、中国発想の邪説である。
四海万国がこの大御神(=アマテラス)の光と恩恵を受けている。
だが(海外の国々の者は)その始まりの由縁を知らないから、
この国の成り立ちも尊さも知らないのだ。
これはひとえに、外国には正しい神の伝承が無いからである。

ここでも宣長は、アマテラス=太陽であり、アマテラスの出現により世界が始まったと明言しています。
ですからアマテラスを祖とするこの国を皇国と称して、日本を中国より劣った国との考え方をしている漢学者を強く批判しています。

・・・つづく

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