高天原が送り込んだ二柱は、全く役に立ちませんでした。
そこでアマテラスは、「今度は誰を派遣しようか」と言います。
するとまたまたオモイカネが、みんなの総意ですと進言します。「天の安河の河上の天の岩屋におります、イツノオハバリという者が適任と申しております。この男が無理なようでしたら、その息子のタケミカヅチがよろしいかと」といった感じでしょうか。
結局、タケミカヅチにアメノトリフネをつけて遣ります。二柱は、出雲国のイザサの浜にやって来て、大国主を問いただします。
稲佐浜
そのときの様子を漢字で「逆刺立于浪穂 趺坐其剣前」と書いてあります。訳せば「波の穂のところに逆さまに刺して立てた剣の先端に足を組んで座った」ですから「剣を逆さまに立て、刃の切っ先にあぐらをかいて」となる訳です。
ですが、そんな曲芸のようなことができるはずはありませんし、それを見せられたからといって恐怖を感じるとは思えません。むしろ滑稽で、笑っちゃいます。
ですから何故このような解釈をしているのか不思議でなりません。
剣前を剣の先=切っ先とするか、剣の前とするかで解釈が変わります。
私は談判のために座り、その前に刀を突き立てた方が脅しとしては迫力があると思います。
こう解釈すると「逆刺立于浪穂」の部分はどうするのか?ということになるのですが、波打ち際で剣を短剣を握るように逆手に持って突き立てた」と解釈すればいいのではないでしょうか。
…つづく