手間(てま)で生き返った大国主命は、
・・・あっ、そうだ!
皆さんに予備知識として、お伝えしておかないと・・・。
実はこの時の彼の名前は、大国主命ではありません。
この名前は、結婚してから須佐之男命が付けたものです。独身の時の名前は、大穴牟遅(おほなむぢ)といいます。
元気になった大穴牟遅(おほなむぢ)ですが、またもや殺されるのです。その殺し方がスゴイ。まず大木を切り倒し、その木にくさびを打ち込んで割れ目を作ります。その割れ目に大穴牟遅(おほなむぢ)を入らせておいて、くさびを引き抜くのです。
結果がどうなるか、想像してみてください・・・。
大穴牟遅(おほなむぢ)はペシャンコになったはずです。
頭は出ていたとしても、あばら骨は砕けて内蔵が飛び出したはずです。これはどう考えても“死ぬ”でしょう。
古事記には、この殺害現場がどこであるかの説明はありませんが・・・、ただ、「親が泣きながら捜して見つけ、助け出した」と書いてあるだけです。
手間(てま)ではどのようにして生き返らせたのかの説明がありましたが、ここでは何も説明はなく、「お前はここにいたら滅ぼされてしまう」と言って、大急ぎで、木国(きのくに)の大屋毘古(おほやびこ)の所へ、逃げさせます。
この大屋毘古(おほやびこ)というのは家屋の神様で、須佐之男命の子供であると言われる、五十猛(いたける)命と同じ神だそうです。
・・・つづく