古事記に登場する神々の謎【2】高御産巣日神と神産巣日神

【1】で紹介した天之御中主神に続いて登場する神は、

二番目が(2)高御産巣日神(たかみむすひのかみ)
三番目が(3)神産巣日神(かむむすひのかみ)
です。

この二柱の神の名は、「高御」と「神」が違うだけで、「産巣日」は同じです。

「産巣日」は「むすひ=むすび」、つまり「結合」とそれによる「結果」を意味しているようで、この二柱の神は「生産とか生成をつかさどる」神と解釈されています。

その様な能力を持つ神が二柱である必要性は?

実は、二番目の高御産巣日神は、高天原系=皇室系と解釈されています。

そして三番目の神産巣日神は、葦原中国(あしはらのなかつくに)系=出雲系と解釈されています。
(葦原中国とは、神々の住む高天原に対し、一般人=国津神の住む地との解釈です)

この時点で、将来、皇室系と出雲系に分かれる展開になることを暗示しています。

ですから、皇室系・出雲系それぞれに「生産とか生成をつかさどる」神を出現させておかねばならなかったのでしょう。

ここまでに現れた三柱の神は『独神(ひとりがみ』で、『身を隠したまひき』と説明しています。
独神とは、配偶神を持たない単独の神との意味です。

『身を隠したまひき』とは『姿形を現されなかった』ということです。
これは『姿形のない』と『姿形はあるが、それを見えないようにした』の、二通りに解釈できます。

この時点ではどちらかよく分からないのですが、あとで高御産巣日神と神産巣日神の子供が登場しますから、後者と解釈するのが正しいようです。

ではここでなぜ『身を隠したまひき』なのか、疑問が残ります。

…つづく

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