それではこれから古事記の『神話』部分に沿って、その舞台となっている山陰地方の『地』あるいは『地域』をご紹介します。
天と地が分かれた頃、高天原(たかまのはら)に17柱の神が現れました。最後の2柱がイザナキの神とイザナミの神で、国土創りを命じられます。
彼らはできたばかりの地上に降ります。
地上に降りてからの彼らの尊称が、神から命(みこと)に変わっています。
そこがオノゴロ島です。
この島は架空の島とされていますが、紀淡海峡(淡路島と和歌山県の間)の友ケ島を想定しているようです。そこで彼らは国生みを始め、本州と周辺の島々を創ります。
国ができた後、神生みにとりかかり、自然界の様々な神様を創ります。
これによりイザナキ・イザナミの命を、日本の祖神と位置づけたのです。
神生みの最後に、火の神を生んだのですが、その時イザナミの命は陰部に火傷を負い、それが原因で亡くなります。
ここまでは明らかに神話ですよね。
ところがこれからあとが、いきなり人間っぽくなります。
妻を亡くしたイザナキの命は嘆き悲しみ、死の原因となった火の神の首をはねるのです。
今風に言えば、出産で妻が死んでしまった。だから生まれたばかりの赤ん坊を殺したということです。
最近はこれと似たようなことをするとんでもない父親がいます。ひょっとして日本人には、かっとなったら残虐になる血が流れているのかも・・・
・・・つづく