古事記おじさんの『21世紀の視点で古事記を読む』【31】

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―「神話部分」を読む ― 伊邪那伎命と伊邪那美命の神生み ③

次に再びイザナギ・イザナミの孫神の紹介になります。
山の神 21 大山津見神と、野の神 22 鹿屋野比賣神 (野椎神) からの派生です。

本文は「大山津見神、野椎神の二はしらの神、山野によりて持ちわけて、生める神の名は・・」と、野の神の名を鹿屋野比賣神としていません。
これは、別称がある場合には次に使用するときはその別称を使うのが古事記や日本書紀のルールとなっているからだそうです。ですから一般人には分かりにくいのですが、現代でも正式名を使わないで業界用語を使う風潮があるのと同じようなことなのでしょう。

23 天之狭土神 (あめのさづちのかみ)
山地の狭くなった所をつかさどる神との解釈が一般的ですが、宣長によると「狭(さ)」=「級(しな)」=坂路(さかじ)で、山の斜面の神と理解すべきのようです。「天之」ですから勝者側のそのような地域ということになります。

24 國之狭土神 (くにのさづちのかみ) こちらは敗者側です。

25 天之狭霧神 (あめのさぎりのかみ) 山の斜面から湧き出てくる霧の神

26 國之狭霧神 (くにのさぎりのかみ)

27 天之闇戸神 (あめのくらどのかみ) 「闇(くら)」=「谷」で「戸」=「所」つまり「谷の神」

28 國之闇戸神 (くにのくらどのかみ)

29 大戸惑子神 (おおとまとひこのかみ)
一般的には意味不詳とされていますが、宣長は「戸惑(とまと)」=「戸麻刀」=「とをまりど」で、山がたわんで低い所を意味するとしていますから「山間の盆地の男神」ということではないでしょうか。
30 大戸惑女神 (おおとまとひめのかみ) こちらは「女神」
この二神も、一対で一柱です。

以上八柱の神は 21 ・ 22 の「山と野の神」から派生した孫神で、9 ・ 10 の「水の神」から派生した孫神との対の形になっています。
宣長はこれらの神の解釈に苦慮したようで「現在(江戸時代)の発想で都合のいいように解釈するのは簡単だが、遠い昔の発想を前提に解釈しようと思えば大変なことである」と述べていますから、自身の解釈も正解とは考えていなかったようです。

・・・つづく

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