古事記おじさんの『21世紀の視点で古事記を読む』【29】

―「神話部分」を読む ― 伊邪那伎命と伊邪那美命の神生み ①

国生みの記述により、天皇族の勢力圏が確定されました。次は天皇族がそこに住む各部族の頂点に位置することを確定させなければなりません。それが神生みだったのではないでしょうか。

古事記は「(イザナギ・イザナミは)既に国を産み竟(を)へて、更に神を生みき。生める神の名は」と書き始め、十柱(とはしら)の神を紹介しています。

1 大事忍男神(おおことおしをのかみ)

2 石土毘古神(いはつちびこのかみ) <岩や土の男神>
3 石巣比賣神(いはすひめのかみ) <岩や砂の女神>
 ※この二神は、一対で一柱(ひとはしら)と数えるようです。

4 大戸日別神(おほとひわけのかみ) <家の戸口の神>

5 天之吹男神(あめのふきをのかみ) <屋根を葺く男神>

6 大屋毘古神(おほやびこのかみ) <家屋の神>

7 風木津別之忍男神(かざもつわけのおしをのかみ) <風の神>

次に海の神で
8 大綿津見神(おほわたつみのかみ)<海の神>

次に水戸(みなと)=水辺の神で
9 速秋津日子神(はやあきづひこのかみ) <河口の河側の男神>
10 妹速秋津比賣神(いもはやあきづひめのかみ) <河口の海側の女神>
 ※この二神も、一対で一柱です。

以上の神々は古代人の日常生活の基礎に関係しているようです。
今風に言えば生活に密着したインフラ関連といったところでしょうか。
(注:宣長は、「以上十柱の神はのちにイザナギの持ち物から現れる神々の別称だが、古事記では間違えてこの場面とあとの場面に紹介している」としています)

右の< >に一般的な解釈を書きましたが、は分からないとされています。
ところが宣長は、を男女を離別する神と解釈しています。
古代は目的のために男女で共同作業を行い、目的が達成されれば別れることが一般的だったのかもしれません。その目的ですが、国生み・神生みの場面ですから「子作り」としか考えられません。
おそらく古代の男は、関係している女性に子供ができたら別の女性に向かったのでしょう。
とは言っても遠方に行くのではなく、妊婦の面倒を見ることができる同一生活圏内だったと思われます。

・・・つづく

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