もしも古事記の神々が人間だったら・・・【3】

イザナミ

古事記では、イザナギと一緒に現れた女神で、日本列島を生んだ母です。
火の神(カグツチ)を生んで亡くなります。

古事記は、彼女の遺体は「出雲と伯耆の国境の比婆山に埋葬」されたと記しています。
日本人の母たる彼女は、山陰地方に埋葬されたのです。

では彼女はどのような性格だったのでしょうか?
あくまでも古事記だけからの推測ですが、積極的で激しい気性の持ち主だったようです。
積極的な部分は「国生み」の記述から感じられます。
「なんて素敵なお方でしょう!」と彼女から行動を起こしたから「水蛭子(ひるこ)」が生まれたと書かれています。
「激しい気性」は「黄泉の国」の部分の記述から感じ取れます。
彼女が「見ないで」と言った蘇りの儀式を、イザナギは見てしまったのです。
それに気づいた彼女は烈火の如く怒り、「そんなことをした男の国の民を、一日に千人殺してやる」といきまくのです。
現代の女性なら「あんたを殺す!」とは言っても、「あんたの家族を殺す!」とまでは言わないでしょう。
イザナギを独裁者と述べましたが、イザナミもその奥さんですからおとなしい訳がありません。

古代、各地に部族が現れ始めた頃、ひとつの部族をまとめ上げることができるのは強烈な意志と行動力を持った者だったはずです。
イザナミはなよなよとした女性ではなく、独裁者イザナギに負けない気性の激しい肝っ玉母さんだったのではないでしょうか。
日本人の両親であるイザナギ・イザナミは、現代の親のように子供を猫かわいがりすることはなかったはずです。そんな育て方では子供がひ弱になります。
たくさん生み、たくましく育つ強い子だけが生き残れたのです。
強い男女の始まりであり象徴となったのが、イザナギとイザナミなのではないでしょうか。

・・・つづく

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