さて、これを聞いたスサノヲは、いきなり、「その娘を俺の妻にくれないか」と切り出します。
単刀直入で男らしいですね。
しかし言われた方は驚いて、「いったい貴方は誰ですか?」と聞き返します。親として当然のことです。
「俺はアマテラスの弟だ。いま高天原から降りてきたところだ」
「分かりました差し上げます」と交渉成立です。
そこでスサノヲは、娘を櫛に変身させて髪に付けると酒造りを命じます。
ここではじめて「人を櫛に変身させる」という、神わざが発揮されます。櫛が神聖な物であることは分かるのですが、彼女を櫛にすることにどのような意味があるのでしょう。
これから戦いが始まるのですから、女は足手まといです。どこかに隠れさせればいいと思うのですが、髪に付けます。「髪になど付けていれば、激しい動きで飛び抜けてしまうのではないか」と思いますが・・・・
「肌身離さず」ということでもないようですから、せっかくの神わざの意味が分からないのです。
・・・つづく